【脳機能】小脳の機能についてわかりやすく説明

小脳系の基礎知識。脳機能

小脳の機能について簡単に説明

 

みなさんこんにちは、ぱらゴリです。

小脳が何をしているのか、ご存知でしょうか?

結構ざっくりした質問ですが、かなりこれがわからない方が多い気がします。

まず小脳は何をしているのか、どんな機能があるのか、そして機能解剖の部分にも触れていけたらとおもいます。

今回は

小脳の機能についてできるだけシンプルに、わかりやすく説明

していきたいと思います。

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小脳の大きな役割

小脳の一番大きな役割は、

大脳のコントロールをしている、というのが一番良い表現かと思います。

少し前までは、小脳は運動制御のみを行っているという考え方が主でしたが、現在では大脳とのネットワーク接続が多く確認されたことで、「高次脳機能」にも関与していると考えられるようになってきています。

大脳と小脳には認知ループが存在しており、大脳と小脳を結ぶ線維のどこかが損傷することで

小脳性認知情動症候群(Cerbellear Congnitive Afective Syndrome:CCAS)』と呼ばれる障害を呈することが明らかとなってきています。

 こちらの記事で詳しく解説しています。
【脳機能】小脳性認知情動症候群(CCAS)について
今回は、小脳出血や梗塞後になぜか前頭葉症状の特に高次脳機能障害が起こる方が時折見かけられる現象について説明していきたいと思います。 前頭葉と小脳をつなぐ「認知ループ」が鍵になるのです。小脳性認知情動症候群(CCAS)についてわかりやすく解説!

もちろん運動の制御も行っているのは間違いありません。なぜなら小脳が損傷すると代表的な病態として、企図振戦、協調運動障害、平衡機能障害などを呈することから、小脳が運動をなんらかの形で制御していることは明らかです。

小脳とは?

小脳は、情報を集めて入力処理したのち、出力系に変換することで、大脳のコントロールを行なっていると考えられます。

そして小脳は脳全体の約10%程度の体積しかないのですが、細胞数は大脳のおよそ10倍もあるといわれています。

そして小脳はバックアップがかなり効くようで、直後に運動失調がかなり強く出ていても通常1〜2週間程度で急速に回復がみられることがしばしばあります。

これは多重化された予備の入力と可塑性が組み合わさったバックアップ可能な回路構造によるものといわれている(後藤,2014)

9割がSilent synapse(通常働いていない)といわれており、問題が起きたときにこのSilent synapseがバックアップすると考えられています。

小脳と脳画像

臨床では脳画像を用いて解剖学的な知識、神経化学的な知識と合わせて、小脳の障害部位を見ることで、対象の方の抱える問題を把握することが可能となります。

小脳を画像で見ましょう!といわれて

 

ここです!

 

と言えますでしょうか?

言える方も言えない方も一緒に確認していきましょう!

小脳を見ることができるスライスは…

  1. 中脳レベル
  2. 橋上部レベル
  3. 橋下部レベル
  4. 延髄レベル

となります。

実際の脳画像から、小脳がどこにあってどういった見え方をするのかを下のスライドがわかりやすく説明できていると思います。

どうでしょう理解できていましたか?

これは臨床においてめちゃめちゃ基礎の部分です。しっかりと脳画像からみつけることができるようにしましょう。

小脳の機能的な種類

小脳は、解剖学的には、小脳皮質、片葉小節葉、小脳虫部に大別されます。

しかしこの知識だけでは不十分で、小脳が持つ機能によって名称が分かれていることを知っておかなければなりません。

小脳は、

  1. 大脳小脳
  2. 脊髄小脳
  3. 前庭小脳

に大別されます。ご存知でしたか?

大脳小脳は、四肢の運動制御や構音機能を制御しています。主にフィードフォワード系に関与するのが大脳小脳だと考えられます。

脊髄小脳は、体幹を中心に運動制御をしており、姿勢や歩行の制御をしているのが特徴的です。脊髄小脳路を介してフィードバック系に関与するのが脊髄小脳だと考えられます。

前庭小脳は、主に眼球運動や、平衡機能を制御をしており、小脳出血や小脳梗塞でめまいや眼振が出現するのは前庭小脳の障害によるものだと考えられます。

 

小脳の機能的区分

小脳は解剖学的な区分だけでなく、機能的区分にも分けることができると説明しました。

よく解剖学の教科書に載っている図なのですが、自分が知っている小脳の形と少し違うんです。

小脳ってこんな形だったかなぁ・・・と初めはかなり悩みました。

私の知っている小脳は、

この形ですよ、かたつむ…じゃなくてこう脳幹にへばりついてる感じ!

じゃあこれを…開くと…

こうなるらしいです。

そしてこの図から機能的な区分に分けると…

こういうことですね。

つまり、実際にめまいや眼振を引き起こすであろう前庭小脳は真ん中らへんにあるということですよ!!(めちゃめちゃ大事)

つまり橋レベルでみておくことによって平衡機能の障害がないかどうかを予測することができたり、前庭機能のコントロールがうまくできず眼振からの嘔気、嘔吐につながる可能性のある方なのかどうかを推測することが可能となるわけですね。

機能的区分の具体的役割

機能的区分である大脳小脳、脊髄小脳、前庭小脳について具体的な役割としてどんなものがあるのか、についてですが…

こちらの図をご覧いただけると、かなりまとまっているかと思います。

大脳小脳は、主に随意運動に関与します。なぜなら大脳との繋がりがとても強いからです。

主な役割は協調運動であり、四肢の遠位筋の随意運動をより正確に協調的に行うために働いていると考えられます。

検査は鼻指鼻試験踵膝試験で、運動の距離と組み合わせをみることで大脳小脳が正常に働いているかを推測することができます。

随意運動の制御を行なっていることから、抗重力姿勢ではない臥位でも、失調症状がみられるのが特徴的です。

また脊髄小脳は、主に体幹・四肢近位部を中心とした抗重力筋のコントロール(伸張反射)に関与していると考えられています。抗重力位で橋網様体脊髄路が働き抗重力伸展筋の活動が高まるのは、この脊髄小脳に対して、後脊髄小脳路を介して、四肢・体幹の筋や関節などから固有感覚が入力された結果、身体状況をモニターして伸張反射の強弱をコントロールしているのだと考えられます。

そして前庭小脳に関しては、外側前庭神経核との入出力関係にあり、必要に応じて四肢体幹の伸筋群の興奮性を高め働きを行なっています。

また眼球運動とも繋がりが強く、眼球運動の抑制を行うなどの働きも担っています。

小脳の深部核について

小脳は髄質と皮質に分けられます。皮質(灰白質)には神経細胞が豊富に存在していますが、髄質と呼ばれる白質部分には小脳核以外の神経細胞体は存在しないと言われています。

小脳核は小脳の出力前の大事な部分になります。

そして神経核は、

  • 室頂核
  • 球状核
  • 栓状核
  • 歯状核

の4つが存在しています。それぞれの働きを学んでいきましょう。

球状核と栓状核は合わせて“中位核”と呼ばれています
位置に関しては、橋中部レベル〜延髄レベルでみることができるかと思います。
こちらの図を頭に入れておき、位置関係についてもしっかりと理解しておきましょう!
そして小脳の核が小脳のどこから主に投射を受けるのか、については絶対しておかないければなりませんよね。
なぜなら、小脳核のうち歯状核が損傷していると予測することができた場合、一体どんな症状が出るのかがわからなくなってしまいます。
そこに加えて、大脳ー小脳ループや、脊髄ー小脳、前庭ー小脳の関係性とどんな入力が出力に変えられるのかを知ることが必要です。
小脳核は腹側に集まっているので、特に橋、延髄レベルで腹側におよぶ出血や脳梗塞が起こってしまった場合は、かなり予後としては変わってくる可能性がありますね。
なぜなら運動のプログラムは、小脳核に一度保存されていき、最終的には皮質レベルまで蓄積されていきますが、運動学習が進みにくいということを意味します。つまり同じミスを何度も繰り返してしまうわけです。
また、入力して処理するのは、皮質ですが出力に変換するのは小脳核です。
神経核は皮質の細胞量と異なり、その部位にしか存在しないため、小脳核が損傷してしまうとバックアップが効かない可能性があるため注意が必要です。

小脳脚について

小脳は大脳や脊髄、前庭からの入力を受けて出力する役割があることはご理解頂けたかと思います。

では、その入力は小脳脚から入力ー出力されることを理解しておきましょう!

小脳脚には、

  • 上小脳脚
  • 中小脳脚
  • 下小脳脚

の3つあり、

それぞれ入出力の割合は違えど、どちらの機能も持っていると考えられています。

しかし主に

上小脳脚は大脳小脳、脊髄小脳、前庭小脳の出力と脊髄小脳(前脊髄小脳路)の入力を受けるといわれています。

中小脳脚は大脳小脳と前庭小脳の入力を受けるといわれています。

そして、下小脳脚は脊髄小脳(後脊髄小脳路)と前庭小脳からの入力を受けるといわれています。

大体ですが、こういった認識で良いかと思います。

最後に、小脳脚が脳画像でどこにあるか、まで知っておくことでさらに知識が深まると思います。

こちらをご覧くださいね!

各スライドで異なるので注意が必要ですが、大体この位置にあるんだな、と認識できるといいかと思います!

まとめ

今回はかなり長くなってしまいましたが、小脳を語る上で機能解剖に関してはしっかりと知っておかなければなりません。

ここがわかって初めてネットワーク構造の勉強をしていくことによって、この脳梗塞や脳出血での脳画像ではこんな症状が起こるのか!と予後の予測、症状の予測につながります!

しっかりと学ぶことをお勧めします!

参考図書

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