運動学習にフィードバックは重要か?

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運営のゴリラ
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運動学習における臨床応用

前回の運動学習の基礎編はご覧いただけましたか?

まだ読んでないよって方はこちら!

課題の難易度の設定や調整は運動学習に重要

前回の簡単なまとめですが…

  • 教師あり学習…大きすぎず小さすぎない誤差情報が生じる難易度
  • 強化学習…頑張れば達成できる難易度で報酬を得やすくする
  • 教師なし学習…単純な課題の反復ではなく、課題の随時変更を行った上での反復が好ましい

すなわち

学習戦略それぞれにおいて、難易度の調整が重要。

なんとなく皆さんそこは理解されていますよね…!

ではでは、この難易度は

Easy→Hard

にしていくべきか

Hard→Easy

の順がいいのか…

これは目標によって異なってくるとされています。

歩行で考えていくと、初めから目標とする最終到達地点の歩容で練習するのか、

それとも段階づけを行って部分課題を獲得していくことが好ましいのか。

前者は、強化学習の視点から考えると、報酬が得られにくく意欲低下を招くリスクがあるが、練習後のエラーは少ないケースがあるとも報告されています。

これはやはり装具や電気などのデバイスを積極的に用いて、少し頑張ればできるといった少し難しい程度の難易度にしていく必要があると考えれます。

まぁ…そりゃそうやろとも思いますが笑

この時に注意が必要なのが、
学習を進めていきたい動作や行為において、「しっかりと予測ができているかどうか」です。

予測に対して、返ってくる結果がどの程度か、が学習においては非常に重要になります。

例えば装具を使うと足関節背屈が装具依存につながってしまうといった話があります。

この時に問題なのが、装具を使うべきかどうか…といったところになります。

その時の考え方としては、

「何に焦点を当てた練習なのか?」です。

歩行のICにおける踵接地による力学的な要素を目的とするのであるならば、足関節背屈の随意性が低下している方に対しては装具等を用いらなければ実現不可能なため装具を用いることは適当かと思います。

しかし、足関節背屈の随意性を獲得したいといったケースにおいては装具を使うことは適当ではないかと思います。その場合には電気刺激等を用いて筋活動を予測→実際のFBといった流れにすることが好ましく、難易度を電気等を使って調整することで運動学習につなげていく必要があるというような考え方です。

外在的フィードバックと内在的フィードバック

私たちは運動を実行する際には、大脳を中心に生成された運動プログラムをもとに筋骨格系に指令を出します。
その指令を感覚受容器(体性感覚受容器、固有感覚受容器)が情報として取り込むとされています。
これを内在的フィードバックといいます。

この内在的フィードバックが内部モデルと比較&照合が実施されて、誤差を修正し、運動プログラムを生成するとされ、これこそが運動学習と考えられます。

ではこの指令の前段階では外在的なフィードバックが重要な役割を果たすことが考えられます。

この外在的フィードバックには、

  • 同時フィードバック(動作中に行うFB、動作中における目標への焦点化が目的)
  • 最終フィードバック(動作の終わった後に行い、運動記憶を顕在化させる目的)

この時に重要なのが注意をどこに当てるか(注意の焦点化)であると考えられます。

注意の焦点化について

外在的フィードバックは、一歩間違うとこのような状況になりかねません。

さてこんなことにならないように、以下の知識をしっかりと理解しておきましょう!

運動学習における外在的フィードバックの注意の中には大きく2つあります。

  • Internal focus(自身の体の動きに注意を向けること)
  • External focus(運動の影響・結果に注意を向けること)

脳卒中患者の運動学習においてInternal or External focusどちらが有効なのでしょう?

ダイナミックバランス課題をIF、EFどちらの指示が臨床的バランス検査の改善に有効かを調べたところ、

EFでは介入前のバランスや感覚機能が比較的良好な者や注意力が低い者で良好な改善を示し

IFでは感覚機能が悪い者や注意力が高い者で良好な改善を示した。

Kal E, Houdijk H, van der Kamp J, Verhoef M, Prosée R, Groet E, Winters M, van Bennekom C, Scherder E. Are the effects of internal focus instructions different from external focus instructions given during balance training in stroke patients? A double-blind randomized controlled trial. Clin Rehabil. 2019 Feb;33(2):207-221. 

患者特性によりどちらにfocusを当てていくのかは検討の余地がありそうですね。

なんとなくで声かけしてても、うまくいかないのはこういったところがヒントになると思います。

結果のフィードバック(KR)はどのタイミングにどれくらいがいいのか…?

脳卒中患者のリハビリテーション中にPTが行った指示は、約40分の1セッション中に平均76回、FBは22回行われており、14秒に一回はどちらかが行われている

Johnson L, Burridge JH, Demain SH. Internal and external focus of attention during gait re-education: an observational study of physical therapist practice in stroke rehabilitation. Phys Ther. 2013 Jul;93(7):957-66. 

いやぁ結構やってますよね…、自分はこれ以上やってるかもと思ったり。

この指示自体は教師あり学習においてFB情報として重要な役割を果たすことが考えられます。

ではそのFBは一体どの程度、どんな時に、どのタイミングで行うことが好ましいのか…?

それが、こちらのスライドにまとめました。

結果を知るまでのインターバルに,自分のした事を評価するのがよいとされています。

この理由として、筆者は長期記憶と学習には、内的に正否を振り返ってみることが必要なのだが、即座にフィードバックを与えると、この過程がブロックされてしまうからであるとされている。

結果のフィードバックは、少な目ですべてフィードバックしない方が良い。

また、少し遅れて学習者が能動的に考える時間を与えるようにすること,正しい答えに幅を持たせることが良いということである.

これらに共通するのは、少し余裕を持って、学習者に主体的に考える機会を与える事が学習にとって大切であるということ。また命令的な方法よりも、非命令的な方法の方が効果的であるとも言われています。

つまりこれです!!予測して比較することで運動学習が進んでいくことが考えられますね!

運動学習の効果判定

大きく二つの方法があります。スクリーニングレベルではありますが、動作観察の中でチェックする方法ですね。


「保持テスト」
学習された運動スキルが翌日、あるいは1週間後など一定の時間をおいて再生できるか。
そのスキルが運動記憶として固定されているかを確認する手段。

例えば、前回練習した起立動作のパフォーマンスが今回も保持できているかどうか。

「転位テスト」
学習した効果が異なる課題や運動スキルに影響を与えること。
学習された運動スキルが目標とするパフォーマンスにおいて、好ましい形で影響していることを確認する方法。

例えば、リーチ練習が日常生活におけるスイッチを押すなどの動作の中に反映されているか。

まとめ

運動学習の種類、FBのポイントについて簡単にまとめてみました。

臨床の中で最も行う行為であるがゆえに、FBについてしっかりとした知識を持っておくことはリハビリでの運動学習をより高めてくれることは間違いないことでしょう。

次回は、もっと細かな神経系の話を進めていきたいと思います!

乞うご期待!!

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