- 「怖いので今日はやめます」を、意欲の問題にしていませんか
- 結論!不安は五つの層に分けると次の行動が見えます
- なぜ不安が続くのか:脳の損傷だけでも、気持ちの弱さだけでも説明できません
- 臨床でよくある勘違い:励ますことと評価することは違います
- 評価ではここを分ける:安全確認から生活参加まで一本の線にします
- 臨床で使うならこう考える:不安を下げてから動くのではなく、学べる条件を作ります
- リハビリで設計すること:心理支援と動作練習を別々にしすぎません
- 自宅や生活で気をつけること:安心の確認を増やすだけにしません
- 変化を見るアウトカム:点数、行動、参加を三本立てで追います
- 論文からどこまで言えるか:支援の候補はありますが、万能な一方法は未確立です
- ぱらゴリ的な見立て:「怖がらずにやる」を目標にしません
- 最後にもう一度、要点を整理します
- 参考文献
「怖いので今日はやめます」を、意欲の問題にしていませんか
脳卒中後のリハビリでは、歩く能力はあるのに一人では立とうとしない、再発が怖くて外出できない、動悸がすると練習を中断する、人前で言葉が出ないのが怖くて会話を避ける、といった場面があります。
若手PT・OTは、こうした反応を「慎重な性格」「成功体験が足りない」「励ませばできる」と捉えやすいかもしれません。しかし、不安の中には、危険へ備える自然な反応だけでなく、長く続く心配、突然強まる恐怖、再発への警戒、転倒恐怖、社会場面の不安、外傷的体験に関連する反応などが含まれます。抑うつ、疲労、睡眠障害、失語症、身体症状が重なることもあります。
結論は、不安を性格や意欲の一言でまとめず、まず危険信号を除外し、不安が起きる条件、本人の予測、身体反応、回避行動、生活参加への影響を分けることです。
この記事では、PT・OTが不安障害を診断する方法ではなく、リハビリ場面で観察できる情報を整理し、課題設計と専門職連携へつなげる手順を解説します。
結論!不安は五つの層に分けると次の行動が見えます
脳卒中後の不安を見たら、次の五層へ分けます。
- 安全:新しい神経症状、胸痛、呼吸困難、失神、自傷の考えなど、先に医療評価が必要な状態か
- 不安の型:何を恐れ、いつ始まり、どのくらい続き、どんな身体反応が出るか
- 重なり:抑うつ、疲労、痛み、睡眠、失語症、認知、薬剤、再発への心配が重なっていないか
- 行動:避ける、付き添いを求める、何度も確認する、急いで課題を終えるなど、何が続いているか
- 参加:移動、セルフケア、仕事、家族役割、交流、余暇がどこまで狭くなったか
不安の強さだけでなく、不安のために何を避け、生活がどこまで変わったかを見ることが重要です。
例えば、階段を怖がる人が、段差昇降に必要な麻痺側下肢の支持が足りないのか、以前の転倒を思い出して動悸が出るのか、視野障害で踏面を見つけにくいのか、再発を恐れて心拍上昇を危険と解釈しているのかでは、先に変える条件が違います。

なぜ不安が続くのか:脳の損傷だけでも、気持ちの弱さだけでも説明できません
不安は、将来の危険を予測して身体と行動を準備する反応です。脳卒中後は、身体能力、感覚、言語、視覚、仕事、運転、家族役割などが急に変わり、以前は自動でできた行為にも不確実さが生まれます。
そこへ次の要素が重なると、不安が続きやすくなる可能性があります。
- 動悸、息切れ、めまい、疲労など、脳卒中や併存疾患の身体感覚
- 再発、転倒、失敗、失禁、言葉が出ないことへの予測
- 自分で動作を制御できる感覚の低下
- 病院での緊急治療や転倒など、強い恐怖を伴った体験
- 家族や支援者が先回りして危険を避ける環境
- 睡眠不足、痛み、抑うつ、孤立、生活上の負担
不安が強いと、本人は怖い課題を避けます。避けるとその場の不安は下がるため、「避ければ安全」という学習が強まりやすくなります。一方、活動を避け続けると、実際の能力を確かめる機会、成功と失敗の条件を学ぶ機会、体力を保つ機会が減ります。
ただし、回避しているから不安が原因とは限りません。痛み、起立性低血圧、視野障害、注意障害、失語症、歩行能力と課題の不一致があれば、避ける行動には安全上の理由があります。身体機能と不安を同時に評価します。
また、病変部位だけから個人の不安を説明することもできません。研究では発症前の不安や抑うつ、発症後の抑うつ、疲労、睡眠などとの関連が検討されていますが、関連因子は原因の確定ではありません。文献2
臨床でよくある勘違い:励ますことと評価することは違います
勘違い1:「脳卒中後なら不安で当然」で終える
不安になること自体は自然です。しかし、自然な反応という説明だけで、数週間から数か月続く活動回避、睡眠への影響、繰り返す動悸、外出や会話の縮小を見逃してはいけません。
2020年の更新系統的レビュー・メタ解析は、97研究、22,262人を統合しました。不安の割合は、臨床面接で18.7%、質問票で24.2%でした。発症後24か月まで明確には低下しませんでした。文献1
この数字は、全員の四人に一人が同じ不安障害になるという意味ではありません。研究ごとに対象、時期、質問票、カットオフが異なります。質問票で拾う不安症状と、構造化面接で診断される不安障害は同じではありません。
勘違い2:HADS-AやGAD-7の点数で診断できる
HADS-AやGAD-7は、不安症状を見つけ、経時変化を追い、専門評価へつなぐ入口として使えます。しかし、カットオフを超えたことだけで診断はできません。
脳卒中後は、失語症、注意障害、記憶障害、視覚障害、疲労によって、設問の理解や回答方法が変わります。2014年の前向き研究では、急性期にHADSなどを提案された対象のうち約半数が回答に研究者の支援を必要とし、急性期のHADSは一か月後の臨床診断を十分には予測しませんでした。文献6
質問票は会話と観察を省略する道具ではなく、会話を始める道具です。
勘違い3:怖くてもやらせれば慣れる
不安がある課題へ段階的に近づく考え方は重要です。ただし、能力に合わない課題、予告のない課題、本人が中止条件を理解できない課題を繰り返すと、恐怖や回避を強める可能性があります。
段階づけは、本人が恐れている結果を言葉や選択肢で共有し、安全条件をそろえ、難易度を合意し、実施後に予測と結果を比べる流れで行います。「できたから怖くないはず」とセラピスト側が決めません。
勘違い4:運動を増やせば不安も下がる
運動は身体機能、活動、健康管理に重要です。しかし、不安への作用は別に検証します。2023年の系統的レビュー・メタ解析では、9研究が採用され、7件の無作為化試験データを統合しましたが、多要素運動による不安への明確な作用は示されませんでした。文献8
運動が必要であることと、運動だけを不安の治療として扱うことは別です。
勘違い5:失語症があると心理支援は難しい
言葉で詳しく説明できないことは、不安がないことを意味しません。2022年の系統的レビューは、失語症のある人を含む非薬物介入10研究を検討しました。5件の無作為化試験では不安への明確な利益を示せず、結論は不確かでしたが、支援付きコミュニケーションや介入方法の調整が必要だと整理しています。文献4
質問を短くする、選択肢を示す、絵や尺度を使う、反応時間を待つ、同意を繰り返し確認するなど、コミュニケーションの条件を変えます。
評価ではここを分ける:安全確認から生活参加まで一本の線にします
1.先に危険信号を確認します
突然の強い不安や動悸を見たとき、すぐに「パニック発作」と決めません。新しい麻痺や失語、顔面の左右差、意識変化、けいれん、突然の激しい頭痛、胸痛、強い呼吸困難、失神などがあれば、通常のリハビリより医療評価を優先します。
また、「消えたい」「家族の負担だからいない方がよい」「自分を傷つける方法を考えている」といった発言がある場合は、PT・OTだけで抱えず、その場で安全を確保し、所属施設の緊急手順に沿って医師、看護師、心理・精神医療職へ共有します。
この確認は診断のためではなく、リハビリを続ける前に必要な連携を判断するために行います。
2.不安のエピソードを一場面ずつ記述します
「不安が強い」だけでは、課題設計に使える情報が足りません。次を一場面ごとに確認します。
- いつ、どこで、誰といたか
- 直前に何をしていたか
- 何が起こると予測したか
- 動悸、息苦しさ、発汗、震え、めまい、緊張など何が出たか
- 徐々に強まったか、突然強まったか
- どのくらい続いたか
- 何をやめ、誰に何を求めたか
- その後、同じ活動を避けるようになったか
- 不安が下がるまで何が役立ったか
例えば「歩くのが怖い」でも、「足がもつれて転ぶ」「心拍が上がって再発する」「人に見られて恥ずかしい」「道に迷って帰れない」では、評価と支援が違います。
3.不安の型を仮置きし、診断名は専門評価へつなぎます
若手PT・OTは、次のような型を区別すると観察を整理しやすくなります。
| 観察される型 | 確認すること | リハビリ場面の例 |
|---|---|---|
| 広い心配が続く | 心配の範囲、持続、睡眠、集中 | 再発、家族、仕事、金銭を一日中考える |
| 突然の強い恐怖 | 始まり方、身体症状、持続、誘因 | 心拍上昇を感じて練習を中断する |
| 特定場面の恐怖 | 場面、予測、回避、安全行動 | 階段、入浴、公共交通を避ける |
| 社会場面の不安 | 評価される心配、失語・構音との関係 | 会話、電話、集団練習を避ける |
| 再体験と警戒 | 外傷体験、悪夢、想起、回避 | 救急搬送や転倒の場面を思い出す |
| 再発への心配 | 症状理解、血圧測定、確認行動 | 軽いしびれや疲労を再発と捉える |
これは診断表ではありません。複数の型が重なることも、身体疾患や薬剤の影響が主であることもあります。具体的な診断と治療は医師や心理・精神医療職と連携します。
4.抑うつ、疲労、睡眠、認知、コミュニケーションを同時に見ます
2017年の系統的レビュー・メタ解析では、24研究15,448人を検討し、脳卒中後の不安と抑うつの関連が報告されました。ただし、二つが関連することは、同じ病態であることを意味しません。文献2
不安では危険予測と緊張が前景に出やすく、抑うつでは気分低下、興味の減少、希望の乏しさが前景に出ることがあります。疲労では活動後の消耗や回復時間、アパシーでは自発的な開始の乏しさが目立つ場合があります。実際には併存するため、一つへ決めつけません。
5.回避、安全行動、生活参加を見える形にします
不安のある人は、活動を完全に避けるだけではありません。家族の腕を必要以上に強く握る、血圧を何度も測る、出口の近くだけに座る、課題を急いで終える、説明を繰り返し求めるといった安全行動が見られることがあります。
安全行動は短期的には必要な場合があります。歩行補助具、手すり、見守り、休憩は、実際の能力不足を補う合理的な代償です。一方、能力があるのに確認行動が増え、活動範囲が縮小している場合は、不安との関係を検討します。
代償を外すことが目標ではなく、どの支援が安全に必要で、どの支援が参加を狭めているかを分けます。

臨床で使うならこう考える:不安を下げてから動くのではなく、学べる条件を作ります
不安がゼロになるまで課題を待つと、活動再開の機会が減ります。一方、強い不安のまま難しい課題へ押し込むと、失敗や回避が強まります。そこで、本人が学べる難易度を作ります。
例えば「一人で屋外を歩くと再発する気がする」と話す人なら、次の順で整理します。
- 新しい神経症状や循環器症状がないか、安全を確認します。
- 本人が恐れている結果を一文にします。
- その予測が出る距離、速さ、場所、同行者、身体感覚を確認します。
- 安全に必要な歩行補助具、休憩、見守り、連絡手段を決めます。
- 不安が強すぎず、予測を確かめられる最小課題を本人と選びます。
- 実施前に予測と不安の強さを記録します。
- 実施後に、起きたこと、起きなかったこと、必要だった支援を比べます。
- 距離、時間、同行条件、環境のうち一つだけを変えて再評価します。
この手順では、「怖かったが歩けた」で終わりません。「心拍が上がると再発すると予測した。見守り下で三分歩き、心拍と症状を確認した。休憩で戻り、新しい神経症状はなかった。次回は同じ距離を家族の見守りで試す」のように、予測、結果、支援条件を記録できます。
課題の目的は我慢させることではなく、本人が安全条件と身体反応を区別して学べるようにすることです。
リハビリで設計すること:心理支援と動作練習を別々にしすぎません
1.説明は不確実さを増やさない形にします
「大丈夫です」と根拠なく言うより、確認した安全所見、残っている課題、練習の中止条件を具体的に共有します。再発兆候の説明は必要ですが、曖昧な身体感覚をすべて危険と結びつけないよう、医療職間で言葉をそろえます。
2.大切な活動から段階を作ります
本人が再開したい活動を選び、必要な能力と恐れている場面を分解します。買い物なら、玄関、屋外歩行、道路横断、店内の混雑、会計、荷物運搬まで段階があります。すべてを一度に行わず、一回の練習で検証する条件を絞ります。
3.不安の変化と機能の変化を分けます
手すりを使って階段へ戻れた場合、それは安全な代償を用いた参加の拡大かもしれません。麻痺側下肢の支持や足部クリアランスが変わったとは限りません。反対に歩行速度が上がっても、不安が残り外出しなければ参加は広がりません。
運動機能の回復、不安への対処、代償による安全確保、生活参加の拡大を同じ成果にまとめません。
4.家族の支援を「代わりにやる」から「確かめる」へ変えます
家族がすべてを代行すると、その場の不安は下がっても、本人が能力を確かめる機会が減ることがあります。どこまで見守るか、どの合図で介助するか、終わった後に何を振り返るかを共有します。
ただし、実際の転倒リスクや認知障害が高い場合に、見守りを急に外してはいけません。安全上必要な介助と、不安のために増えた介助を区別します。
5.専門職連携を課題の途中へ組み込みます
不安が持続し、睡眠、食事、服薬、通院、家族関係、仕事へ影響している場合は、医師、看護師、心理職、精神保健の専門職、言語聴覚士、ソーシャルワーカーなどへつなぎます。薬物療法の開始や調整は医師が判断します。
PT・OTは、診断や薬剤調整の代わりをするのではなく、不安が実際の動作と生活参加へどう現れるかを具体的に共有する役割を担えます。

自宅や生活で気をつけること:安心の確認を増やすだけにしません
ご本人やご家族は、不安が強くなった場面を次の形で記録すると、相談に役立ちます。
- 日付、時刻、場所
- 直前にしていた活動
- 何が起きると思ったか
- 身体に出た変化
- どのくらい続いたか
- やめたこと、避けたこと
- 誰にどんな支援を求めたか
- 実際に起きた結果
- その後の生活で避けるようになったこと
家族は「気にしすぎ」「考えない方がよい」と否定せず、まず恐れている結果を確認します。一方、何度も「大丈夫」と保証し続けることが、確認行動を増やしている可能性もあります。支援者と相談し、必要な安全確認と繰り返し保証を分けます。
新しい麻痺や失語、意識変化、胸痛、強い呼吸困難、失神、自傷の考えがある場合は、記録や自主練より医療相談を優先します。
変化を見るアウトカム:点数、行動、参加を三本立てで追います
不安の変化は、一つの質問票だけで評価しません。
- 症状:HADS-A、GAD-7などの質問票、本人がつける不安の強さ
- 行動:避けた回数、確認行動、見守り量、課題を中断した回数
- 課題:歩行距離、外出時間、階段の段数、会話場面、公共交通の利用
- 参加:買い物、仕事、家事、家族役割、交流、余暇
- 安全:転倒、新しい神経症状、救急受診、過度の疲労や痛み
- 本人の理解:不安の予測、身体反応、安全条件を説明できるか
症状点数が下がらなくても、必要な支援を使って外出できるようになることがあります。反対に、質問票の点数が低くても、外出をすべて避けているため不安場面へ遭遇していない可能性があります。
2019年の縦断研究は、急性期の脳卒中者423人を登録し、306人を一年後まで追跡しました。急性期の不安は一年後の神経学的重症度とADLの悪化を予測し、慢性期の不安は同時点の機能不良と関連しました。文献5
これは不安が機能低下の原因だと確定する研究ではありません。残存障害や生活上の困難が不安を強めた可能性もあります。不安と機能を別々に測り、同じ時間軸で追う必要があることを示す結果として読みます。
論文からどこまで言えるか:支援の候補はありますが、万能な一方法は未確立です
2017年のCochraneレビューは、脳卒中後の不安を治療対象とした無作為化試験3件、196人を採用しました。薬物療法とリラクゼーションの試験が含まれましたが、研究数が少なく、介入も比較できないため、確かな結論は出せませんでした。文献3
2025年の非薬物介入レビューは、2012年から2023年までの無作為化試験42件を記述的に統合しました。心理療法、運動、多要素介入の一部で不安アウトカムの改善が報告されましたが、介入と対象が不均一で、メタ解析ではありません。文献7
問題解決療法を扱った2024年の系統的レビューは、8件の無作為化試験、1,249人を検討しました。不安への利益は個別の一試験で示されたにとどまり、機能への作用を示さない試験もあり、エビデンスの確実性はアウトカムによって幅がありました。文献9
心理的介入を扱った2024年の別の系統的レビュー・メタ解析は、不安と抑うつを併存する脳卒中者を対象とした17件の無作為化試験を統合し、不安、抑うつ、ADL、生活の質への利益を報告しました。文献10 ただし、不安だけの人、失語症や重い認知障害がある人、異なる医療環境へそのまま一般化はできません。
若年脳卒中に限った2024年の系統的レビュー・メタ解析では、不安症状を評価した2,420人の統合割合は39%でした。ただし、若年の定義、脳卒中型、評価方法の違いによる異質性が大きい結果です。文献11
これらの研究から、次のような断定はできません。
- 一つの質問票で不安障害を診断できる
- 不安の強さだけで課題遂行や生活参加を予測できる
- 運動を増やせば不安が下がる
- 一度怖い課題を成功すれば回避はなくなる
- 失語症がある人には心理的支援ができない
- 特定の病変部位だけで不安の原因を説明できる
- 不安が下がれば運動機能も回復したと判断できる
研究で示された集団平均を、目の前の人の不安の原因や治療反応へそのまま置き換えません。
ぱらゴリ的な見立て:「怖がらずにやる」を目標にしません
臨床で見落としやすいのは、不安を下げること自体が目標になり、本人が戻りたい生活行為が曖昧になることです。ぱらゴリ的には、次の順で整理します。
- 本人が再開したい生活行為を一文で決めます。
- 急変、自傷の考え、全身状態などの安全を確認します。
- 不安が起きた場面を一つ選びます。
- 予測、身体反応、回避、安全行動、結果を分けます。
- 身体機能、感覚、認知、コミュニケーションの仮説を並べます。
- 安全に必要な代償と、参加を狭める条件を分けます。
- 本人と最小の課題を選び、一条件だけ変えます。
- 不安、行動、課題遂行、参加、機能を別々に再評価します。
この流れなら、「励ましたら歩けた」「HADS-Aが下がった」で終わりません。何を恐れ、どの条件なら試せ、何を学び、生活がどこまで広がったかを説明できます。
最後にもう一度、要点を整理します
- 不安は、安全、不安の型、重なり、行動、参加の五層に分けます。
- 新しい神経症状、胸痛、強い呼吸困難、失神、自傷の考えがあれば、通常の練習より連携を優先します。
- HADS-AやGAD-7はスクリーニングと経過確認の道具であり、診断そのものではありません。
- 恐れている結果、身体反応、回避、安全行動を一場面ごとに記録します。
- 失語症や認知障害がある場合は、質問と回答方法を調整します。
- 課題は本人と合意し、安全条件をそろえ、一度に一条件だけ変えます。
- 不安症状、運動機能、代償、課題遂行、生活参加を同じ成果にまとめません。
- 心理支援、薬物療法、動作練習、家族支援は必要に応じて多職種で組み合わせます。
目標は「怖がらない人」に変えることではなく、危険と不安を分け、必要な支援を選びながら、大切な生活行為へ戻れる条件を作ることです。
参考文献
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