こんにちは、ぱらゴリです。
私の本業は理学療法士として急性期〜慢性期までの全ての期間で
脳卒中リハビリテーションをしております。
理学療法士として病院勤務をしていると、
「上肢は作業療法士」「歩くのは理学療法士」という風潮が未だ根強く残っている印象です。
しかし、理学療法士も上肢について考える必要があると思い
今回のテーマは、
筋膜とは?
学校でも習ったと思いますが、一時期話題になった「筋膜リリース」という言葉にみなさん聞き覚えがあるのではないでしょうか。
だそうです。教科書的ですね。筋膜について簡単に言いますと、「筋線維を包む膜で、全身を包むボディースーツ」みたいなものだと考えるとわかりやすいかも知れません。
全身を包むわけですから、頭と足は繋がっており、足と手もつながっているわけですよね。
では上肢の筋膜ラインについて説明していきます。
Front Arm Line
上肢の筋膜にはFront Arm LineとBack Arm Lineが存在します。
まずはフロントアームラインから!
Superficial Front Arm Line(SFAL)
カッコよくないですか!?
それは置いといて、大胸筋から始まり手指屈筋群まで繋がるラインです。
胸から手掌部までは繋がっていると覚えましょう。
これは表層の筋膜ラインになります。
Deep Front Arm Line(DFAL)
今度は小胸筋から母指球筋まで繋がるラインですね。
胸の奥から親指の根本まで筋膜ラインで繋がっていると覚えましょう。
Front Arm Lineはどんな時に働くか
身体の前で動作をする時です。
この上肢の筋膜ラインがうまく使えないと、
身体の前で道具をうまく使ったりできなくなる可能性が考えられます。
現代人ではパソコンを打つ作業なんかに使うことが多いです。
Back Arm Line
次はBack Arm Lineです。
Superficial Back Arm Line(SBAL)
僧帽筋から始まり、腕の表層後ろを通って手指伸筋群まで繋がる
上肢の筋膜ラインです。
背中から手背の指先までと覚えましょう。
Deep Back Arm Line(DBAL)
今度は菱形筋・肩甲挙筋から小指球筋まで繋がる
上肢の筋膜ラインです。
背中の奥から小指の根本まで、と覚えましょう。
Deep Arm Lineはどんな時に働くか
上肢の運動軸として腕を下から支えてくれる働きがあります。
上肢を前に出して作業するためには、
後ろからこの筋膜ラインが働く必要があるわけです。
また、Deep Arm Lineが安定しているから、Front Arm Lineが使えると考えられています。
なぜなら肩関節の安定性を作っている「ローテーターカフ」はDeep Back Arm Lineに含まれているからです。
また、リーチングにおいて上肢の筋膜ライン上で伸筋群は重要な役割を果たしています。
応用すると、肩関節周囲の筋出力を向上させたい、安定性を向上させたい!時には
おまけ(リーチング)
と考えられています。
つまり歩行には、「上肢もすごく重要である!」
歩行を専売特許だと思っている理学療法士のみなさん!ちゃんと上肢もみましょうね!!
上肢の筋膜ラインを知るメリットは?
いろいろ言いましたが、理学療法士たちの
上肢の知識は学校教育だけでは明らかに学習量がたりません。
なので、細かい筋肉を覚えるのも大事ですが、
上肢の筋膜ラインを覚えることで苦手意識を少しでも軽減できるかと思います。
また、「CPG」で制御されていますのでおそらくKinetic chainといった筋膜上のラインで脳は運動を捉えている可能性が示唆されています。
そのため、筋膜ラインをまずしっかりと覚え、誘導できると明らかに今までと違う反応が得られますよ。
最後に
あ、あと最後に一言いわせてください。
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