【脳機能】痙縮へは振動刺激!?リハビリ1年目〜3年目必見!

脳機能

こんにちは、ぱらゴリです。

理学療法士脳卒中リハビリテーションに従事しております。

「痙縮」に困ったことはありませんか?脳卒中リハビリテーションを行うにあたって、避けては通れない問題ですよね。

そんな痙縮が

たった3分で痙縮が抑制できる!?
しかも持続時間は・・・
30分程度!?
気になりますよね。※怪しい方法ではありません。(ちょっとだけ怪しいかも・・・笑

そこで今回のテーマは

痙縮には振動刺激が有効!?あの〇〇が使える!?
です。今回も画像多めで説明していきます!
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電動バイブレーションが有効?

結論から言いますと、「電動マッサージ機(電マ)」が有効です。

ストレッチによるIb抑制や拮抗筋抑制を目的にしたIa抑制などももちろん有効ですが、

脳卒中後にストレッチすると筋肉を痛めたり、随意運動が出ないからIa抑制が使いにくい…。

なんてことになっちゃいますよね。

その問題を解決するのが、電マなんです!!

電マの説明
こうやって書くとすごく、コンプライアンスに引っかかりそうな危ない機器と思うじゃないですか・・・
ちゃんとした文章で記載してみます。
電マというのは振動刺激による筋のリラクゼーションを目的とした物理療法機器
なわけです。
急にこのエッチな機器が理学療法士がリハビリに使えそうになってきませんか?
こうなると途端名前が
振動刺激療法
になるんですよ、みんななんでも「療法」って付ければいいと思って・・・。

振動刺激の効果は?

大体みなさんイメージがつきますよね、「振動刺激」って。

そう、「ブルブル」なるやつです。じゃあ振動刺激の効果はなんでしょう。

関節可動域制限の原因の一つである、「筋緊張の亢進を抑制できる」可能性があるということなんです。

最初に出てきた「痙縮」というワードについて詳しくは、様々な論文や文献がありますのでそちらをお調べいただければより詳しくわかると思います。

筋緊張とは?

まず「筋緊張」とはどういう意味なのでしょうか?

本来自動的にコントロールされている、筋の張力がなんらかの原因で保持できなくなったことです。

これを「筋緊張異常」といいます。

筋緊張異常の原因

では、原因には一体どんなものがあるのでしょうか?

神経システムの問題みたいなので、中枢神経疾患末梢神経障害が原因のようです。

今回は「痙縮」というテーマなので、次は高緊張について説明していきます。

高緊張(痙縮など)とは

高緊張状態の代表的な原因は、脳卒中や脊髄損傷後による中枢神経疾患です。

これを「痙縮」と呼ぶようです。

痙縮の状態の定義は

「上位運動ニューロンの一要素で、伸張反射増強の効果として腱反射亢進を伴って生じる、他動伸張時の速度依存性筋緊張の亢進」

です。

なるほど!!

ってなった人は天才です。私は全くよくわかりませんでした。

簡単に説明すると、

脳から出ている神経が損傷することで、筋肉が伸ばされた時に硬くなっちゃう!!ってことです(多分

痙縮のメカニズムは?

「脳から筋肉への入力が減ったことで脊髄反射が過活動を起こしている状態です」

もう少し細かく説明すると・・・

脊髄反射システム

αが随意運動を司る細胞で、γは筋緊張を保つ細胞です。

脳卒中になると、皮質脊髄路が損傷しα運動神経細胞に対して、刺激を送れなくなります。

そのためγ運動神経細胞だけが好き勝手に働き、筋緊張を過度に高めてしまいます!

これが脳卒中後に筋緊張が亢進するメカニズムになっています。

察しの良い方ならもう気付いているかも知れません。

次は振動刺激によって筋緊張異常を抑制する機序についてです。

振動刺激は痙縮を抑制する!?

どうやって振動刺激は痙縮を抑制するのでしょうか?

相反抑制とシナプス前抑制の2つか考えられています。

相反抑制とは?

主動作筋が収縮すると、その逆の働きを持つ拮抗筋が抑制される、というシステムです。

電マを当てると、振動刺激が筋肉に加わり筋肉は収縮します。

これを臨床応用すると、

上腕二頭筋の痙縮が起こっている人がいるとします。

どこに振動刺激を加えますか?

上腕三頭筋です!
よね? ただ相反抑制を利用する、なら!です。

シナプス前抑制って?

シナプス前抑制とは?

簡単に言いますと、筋肉に「振動刺激」を加えて筋紡錘に刺激が入ると、当てた筋肉の筋緊張が抑制される!です。

 

あれ、さっきの相反抑制と矛盾してませんか?

そうなんです、この矛盾に気付けたかどうかが大事です。

この2つの作用、使い分けることができるんです。

応用方法は・・・「時間」にヒントが隠されています。

電マの可能性

結論をいきなり載せています。

筋収縮を促通(相反抑制を利用)したければ、

振動刺激の

振動数と振幅と刺激時間を変えてあげれば良い!
ということですね。
振動刺激を当てる部位はどちらも「腱部」が有効だといわれています。
しかも・・・
たった3分で痙縮が抑制できるんです!!
しかも持続時間は・・・
30分程度持つのではないかと言われています!!
ストレッチするより早くて持続性もあるわけですね。

応用編

痙縮を抑制したければ、伸張しながらしながら、腱部に電マ!
促通したければ拮抗筋に電マ(振動刺激療法)、主動作筋に電気療法、そこに促通手技!

運動失調にも効果がある?

このような報告があります。

どういう意味や・・・ってなった方へ。簡単に説明しますと・・・
振動刺激を与えると・・・
このようなメカニズムが働くことで、運動失調の軽減にも繋がる可能性が示唆されています!

禁忌・注意

人相手に使うものなので、振動刺激は安全性も考慮される必要がありますよね。

でも安心。用法容量をお守りいただければ(ry

やけどのリスクはあります。が、200hzが出せる電マは市販してません。
不快感が出現します。が、15分後には消えるといわれています。
ただ、緩みすぎるので、何でもかんでも緩めればいいというわけではありません。あえて筋緊張を亢進させて姿勢制御をしている人もいます。見極めるようにしてくださいね。

まとめ

最後までありがとうございました。
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