こんにちは、ぱらゴリです。
私は理学療法士として急性期〜慢性期までの全ての期間で
脳卒中リハビリテーションをしております。
みなさん動作分析は非常に実習生時代から、バイザーにしっかりできるように!と強く教え込まれたかと思います。
しかし動作分析は、とても難しいだけではなく
ある現象を捉えても、介入で困ってしまう
経験をする方がほとんどだと思います。
ではなぜ、動作分析ができても介入にはつながらないのでしょうか?
それは、
運動出力ー脳内処理ー感覚入力の関係性を理解しないまま、動作レベルで対象者に変化を求めてしまっているからかもしれません。
そこで今回は
はじめに
感覚について、語る上で
意識にのぼる深部感覚の特徴
意識にのぼる深部感覚は
意識にのぼるということは、
大脳皮質が関わる!ということです
大脳皮質にのぼる深部感覚とは一体どんな感覚なのでしょうか?
深部感覚とは、運動感覚であると表現されることがあります。
理由としては、感覚は特定の受容器の閾値を超えると入力されることになります。
感覚受容器として代表的なのが
- 関節
- 筋肉
- 腱
といった固有受容器と呼ばれるものが深部感覚の割合の中で多いといわれているためだと考えられます。
そして、意識にのぼる深部感覚は、後索路と呼ばれる内側毛帯系が経路になります。
Aα、Aβ線維で非常に太く伝達速度が速いという特性があります。
役割
意識にのぼる深部感覚の大きな役割は、
身体の位置や方向、さらに運動の程度を認識しているということです。
動いた結果や今いる状態の感覚情報を捉えることで、自分の身体の状態が認識でき、次の運動を行うことができると考えられます。
また人間は心臓の拍動や姿勢調節などにより、常に同じ姿勢をとることはありえません。
そのため、運動を起こす際には、自分がどういう状態にあるかを認識する必要があり、その情報を基準に運動を行うことができます。
その際に非常に大事なのが身体図式の知識になります!
こちらをご覧ください!
意識にのぼる深部感覚の経路
意識にのぼる深部感覚の経路は、内側毛帯系の後索路だとお話ししましたが、実際にはどんな走行で大脳皮質にのぼっていき意識化されるのでしょうか。
脊髄レベル
まず必要な感覚が閾値を超えると受容体が反応します。
後根から後根神経節で一度シナプス形成をしたのち、後角を通り、後索路を上行していきます。
これは一次ニューロンで、脊髄神経節ー延髄の核までの経路になります。
その際に、
上半身は楔状束、下半身は薄束と上行する経路が異なることを覚えておきましょう!
脳幹レベル
感覚は脊髄を上行していくと、延髄下部で二次ニューロンを形成します。
上半身は楔状束核、下半身は薄束核でシナプス形成をするといわれています。
そして内側毛帯で交叉をして反対側の脳幹を上行していきます。
視床レベル
そして脳幹を上行したのち、視床のVPL核という部分に接続し、三次ニューロンを形成します。
感覚にはVPL核という部分が非常に大事になってきます。
視床出血といえば…そう感覚障害が代表的ですよね。
それはこのVPL核に体性感覚情報が集合し、視床穿通動脈や視床膝状体動脈などが視床出血を起こしやすいと統計的にいわれていることから
視床=感覚障害
ということが一般的にいわれるようになったと考えられています。
視床のVPL核から、皮質の一次体性感覚野に上行していく視床皮質路になります。
抑えておくポイント
感覚障害を疑う際には、
脳画像で視床のVPL核を見れるようになることと、視床皮質路も同時に抑えておく必要あります。
この画像のとおりですね。しっかりと内包の部分の通過経路の位置と名称については覚えておきましょう!
まとめ
意識にのぼる深部感覚について説明してきました。
大事なことは、
- 意識を介することは皮質が関係する
- 身体の状態を認識する役割がある
- 後索路という経路を通る
- 上肢は楔状束、下肢は薄束を通る
- 延髄で対側へ交叉する
- 脳画像でVPL核と視床皮質路の場所を覚える
このことは絶対に覚えて欲しいポイントです。
よく臨床上出会う、こういった姿勢のかたを見ると、まず動作分析から入りますよね。
しかし動作分析だけで終わっては介入につながりません。
どこの感覚、脳内処理にエラーが起きて、運動出力(動作)に影響が起こっているのかをしっかりと説明できるように、今回の知識は一助として絶対に覚えておいて欲しいと思います。
参考図書
感覚を入力するとはどういうことかを知ることができるおすすめの一冊です。
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