【脳機能】小脳性認知情動症候群(CCAS)について

脳機能

こんにちは、ぱらゴリです。

私の本業は理学療法士として急性期〜慢性期までの全ての期間で

脳卒中リハビリテーションをしております。

今回は、小脳出血や梗塞後になぜか前頭葉症状の特に高次脳機能障害が起こる方が時折見かけられる現象について説明していきたいと思います。

前頭葉と小脳をつなぐ認知ループが鍵になるのです。

今回は

小脳性認知情動症候群(CCAS)について!
です。
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小脳性認知情動症候群って?

小脳性認知情動症候群はCCASと呼ばれ、

Cerebellar congnitive affective syndromeの略称で、

小脳の損傷が原因で、「前頭連合野」の思考や情動に障害が現れることを言います。

主に4つのカテゴリーに要約して述べられており、

  1. 遂行機能障害
  2. 視空間認知障害
  3. 言語障害
  4. 人格障害

に分類されるようです。

小脳と前頭葉のつながり

大脳と小脳は神経ネットワークでつながりをもち、

  • 補足運動野や4、6野から始まる運動ループ
  • 前頭連合野から始まる認知ループ

の2つのループを持っています。

運動ループと認知ループ

ループなので、前頭葉から始まり再び前頭葉に戻るという経路を辿ります。

小脳は簡単にいうと大脳機能の調整を担っており、このループが破綻することで大脳は調整がきかず、正常に働くことが難しくなると考えられます。

認知ループの経路

認知ループは、

前頭連合野→内包前脚→橋核の横行線維→小脳半球→歯状核→対側の視床背内側核(MD核)→前頭連合野の経路を辿ると考えられています。

前頭連合野や主に、思考・情動・言語・注意を司っており、この経路のどこがやれても、前頭連合野は正常に働くことができなくなります。

そして、その中でも小脳損傷が原因のものを小脳性認知情動症候群:CCASという呼ぶわけですね。

4つのカテゴリー

遂行機能障害:立案、語流暢性、抽象的推論、ワーキングメモリー、セット転換

視空間障害:視空間統合(視覚経路の最後)、視空間記憶障害

言語障害:失文法、失名辞、プロソディー障害

人格障害:情動平板化、脱抑制、不適切な行動

プロソディー障害とは「 音・音節の途切れや引き伸ばし」「音節の繰り返し」「発話速度の低下」「抑揚の乏しさ」などの構音障害の総称

が4つのカテゴリーの内容となりますが、左右小脳半球でも少し違いがあると言われており、

右小脳半球:論理的推論及び言語処理
左小脳半球:注意や視空間技能

に関連すると考えられています。

CCASの出現頻度

ではCCASはどれくらいの割合で、出現するのでしょうか?

Ballieux H,et al.1998によると83%の小脳損傷患者が広範な認知・言語障害を呈し、50%行動・感情変化を呈したと述べています。

また、

Tedesco AM,et al.2011によると、小脳病変患者は全認知領域で低下傾向があり、特に言語と配列が病的水準で、ついで遂行機能と視空間認知が低成績であったと報告しています。

まとめ

小脳と聞くと、運動失調や協調運動障害、低緊張などの運動機能にばかり目がいきがちかもしれません。

しかし脳はネットワーク構造を持っており、決して損傷した部位のみの障害が出るとは限りません。

また、ネットワークで障害が起こっていますが、実際に前頭連合野は損傷を受けていないことを脳画像などを通して知ることができます。急性期にはDiaschisisなどによって、前頭葉の大幅な機能低下が起こることがありますが、実際には損傷しておらず、機能は残存していることが考えられます。

つまり、小脳損傷後に現象だけを見るのではなく、脳画像をポジティブに使用して患者さんの潜在能力を引き出せるような関わりを持っていくことが重要なのではないでしょうか?

最後までありがとうございました。

 

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