- 麻痺側の手が急に腫れたとき、最初に何を見ていますか?
- 結論!「CRPSかどうか」の前に、今日の緊急度を決めます
- なぜそう見えるのか:手の腫れと肩手症候群は同じ意味ではありません
- よくある勘違い:「腫れたからCRPS」「痛くないから安全」
- 評価で分けること:Budapest基準は「一覧表」ではなく鑑別の枠組みです
- 評価の順序:左右差だけでなく、時間と課題をそろえます
- 臨床で使うならこう考える:四つの分岐で次の行動を選びます
- リハビリで設計すること:痛みを避け続けるのでも、押して動かすのでもありません
- 自宅や生活で気をつけること:手を守りながら、変化を記録します
- 変化を見るアウトカム:腫れ、痛み、機能、生活を別々に追います
- 論文からどこまで言えるか:有望な介入と確立した手順は同じではありません
- ぱらゴリ的な見立て:腫れを「原因」ではなく、仮説を分ける入口にします
- 最後の要点:手の腫れは、五つの情報に分けて報告します
- 参考文献
麻痺側の手が急に腫れたとき、最初に何を見ていますか?
脳卒中後、麻痺側の手がむくみ、指輪がきつくなったり、手を触られるだけで痛がったりすることがあります。若手PT・OTは「動かしていないから浮腫が出たのだろう」と考えやすい場面です。
しかし、手の腫れだけでは、単純な依存性浮腫、局所の外傷や炎症、感染、静脈の問題、肩手症候群、複合性局所疼痛症候群であるCRPSを区別できません。脳卒中後だから起こりやすい所見と、脳卒中があっても別に評価すべき病態を分ける必要があります。
この記事では、手の腫れを見たときに、何を先に除外し、どの所見を左右で比べ、どの条件を変えて再評価するかを整理します。個別の診断や薬物療法は医師が行います。PT・OTの役割は、変化を早く見つけ、必要な情報をそろえ、痛みと組織負担を増やさない課題へつなぐことです。
結論は、腫れを減らす手技を選ぶ前に、「急性の危険所見」「痛みの性質」「皮膚温・色・発汗」「運動と可動域」「生活上の困りごと」を分けて記録することです。

結論!「CRPSかどうか」の前に、今日の緊急度を決めます
手の腫れを見つけたら、最初に確認するのは診断名ではなく緊急度です。次のような変化が新しく出た場合は、通常の反復練習をいったん止め、医師や看護師へ速やかに報告します。
- 腫れが短時間で強くなった、または前日までと明らかに違います。
- 強い発赤、熱感、傷、浸出液、発熱、悪寒があります。
- 転倒、打撲、介助中の牽引などの後から痛みが増えています。
- 手指が冷たい、白い、紫色になるなど、循環を疑う色調変化があります。
- 腕全体の腫れ、息苦しさ、胸痛、急な全身状態の変化があります。
- 痛みが急に強く、本人の普段の反応と大きく異なります。
これらはCRPSに特有の所見ではありません。感染、外傷、血管性の問題など、別の評価を優先すべき場合があります。CRPSは「他により適切な診断がないこと」も含めて判断するため、除外すべき病態を飛ばして確定しません。
緊急所見が乏しい場合は、症状の始まり、腫れる場所、痛みの分布、皮膚温、色、発汗、可動域、使い方をそろえて観察します。「麻痺側の手が腫れた」という一文だけで終わらせず、変化の組み合わせを記録します。
なぜそう見えるのか:手の腫れと肩手症候群は同じ意味ではありません
脳卒中後の上肢では、自発運動の減少、下垂した姿勢、筋ポンプ作用の低下、手の支持不足、装具や衣類の圧迫などが重なり、手の体積が増えることがあります。これは臨床でよく見られる所見ですが、腫れだけでCRPSとは言えません。
肩手症候群は、脳卒中後に肩の痛みと手・手関節の痛みや腫れが組み合わさる臨床像として使われてきた名称です。一方、CRPSは、誘因に比べて不釣り合いな持続痛を中心に、感覚、血管運動、発汗・浮腫、運動・栄養性変化の複数領域を評価する診断概念です。
2000年の系統的レビューは、痛みを伴う手の腫れでも肩が関与しない例があること、手の浮腫と肩手症候群を同一に扱えないことを指摘しました。文献1
つまり、次の三つは分けます。
- 手の体積が増えているという所見
- 肩から手にかけた痛みと腫れが組み合わさる臨床像
- 診断基準と鑑別を踏まえて医師が判断するCRPS
名称を早く付けることより、「どの領域の所見が、いつから、どの程度そろっているか」を明確にする方が、次の評価に役立ちます。
脳卒中後は、局所の組織問題も重なります
脳卒中後CRPSが疑われた23人を扱った小規模な前向き観察研究では、手関節伸筋腱周囲の超音波所見と肩・手関節の軟部組織障害が検討されました。文献2
この研究は、特定の腱障害がすべての脳卒中後CRPSを説明すると証明したものではありません。対照群がなく、対象も少数です。ただし、CRPSという候補が挙がっても、肩関節、手関節、腱、皮膚、装具の圧迫などの局所評価を省かないという臨床上の注意を支えます。
よくある勘違い:「腫れたからCRPS」「痛くないから安全」
腫れだけではCRPSではありません
CRPSでは浮腫がみられることがあります。しかし浮腫は診断領域の一つにすぎません。痛みの性質や分布、触覚・温度刺激への反応、皮膚温や色、発汗、関節運動、筋力、振戦、爪や皮膚の変化などを組み合わせます。
手背の周径が増えただけでCRPSと決めると、感染、外傷、装具による局所圧迫、薬剤や全身状態に伴う浮腫を見落とす可能性があります。反対に、腫れが軽いから候補から外すのも早計です。症状は時期や環境で変動します。
痛みが弱くても、感覚障害や失語症を確認します
脳卒中後は、感覚障害、失語症、注意障害、認知機能の変化によって、痛みの表現が難しいことがあります。「痛いと言わない」ことと「侵害刺激がない」ことは同じではありません。
表情、逃避反応、動作の止まり、睡眠、着替えや清拭の拒否、触れられる場面での反応を観察します。非麻痺側で質問方法を試し、本人が答えやすい選択肢や図を使います。ただし、観察者の推測だけで痛みの強さを確定しません。
手を高く上げれば原因が分かるわけではありません
挙上後に腫れが減るなら、姿勢や静水圧の影響を考える手がかりになります。しかし、その反応だけで原因を確定できません。高く上げる姿勢が肩の痛みや牽引を増やす場合もあります。
肩甲帯と上腕を支えず、麻痺側の手だけを持って挙上する方法は避けます。姿勢を変える場合も、肩、肘、手関節、手指を支持し、痛みと皮膚色を確認します。
評価で分けること:Budapest基準は「一覧表」ではなく鑑別の枠組みです
一般的なCRPSのBudapest clinical criteriaでは、まず原因となった出来事に比べて不釣り合いな持続痛を確認します。その上で、症状と診察時の徴候を四つの領域で整理し、より適切な別診断がないことを確認します。文献3
| 領域 | 本人が感じる症状の例 | 評価者が確認する徴候の例 |
|---|---|---|
| 感覚 | 触れただけで痛い、針刺激が強く痛い | アロディニア、痛覚過敏 |
| 血管運動 | 手が熱い・冷たい、色が違う | 皮膚温の左右差、色調の左右差 |
| 発汗・浮腫 | 汗のかき方が違う、腫れる | 発汗の左右差、浮腫 |
| 運動・栄養性変化 | 動かしにくい、こわばる | 可動域低下、運動障害、振戦、皮膚・爪・毛の変化 |
Hardenらの妥当性研究では、CRPS I 113人と非CRPS神経障害性疼痛47人を比較し、Budapest clinical criteriaの感度は0.99、特異度は0.68でした。これは一般CRPS集団での結果で、脳卒中者を対象にした数値ではありません。文献3
脳卒中後では、運動障害、可動域低下、筋緊張変化が脳卒中そのものでも起こります。痛みの訴えも失語症や感覚障害の影響を受けます。初回脳卒中72人を調べた妥当性研究では、Budapest clinical criteriaで6人、8.3%がCRPSと判定されましたが、著者らは脳卒中後CRPSに対する現行基準の妥当性は低いと結論しました。文献4
したがって、PT・OTが四領域を観察することには意味がありますが、該当項目を数えて独力で確定診断する使い方はしません。所見の重なりと時間経過を整理し、医師の診断と必要な検査へつなげます。

評価の順序:左右差だけでなく、時間と課題をそろえます
1.いつから、どこから始まったかを確認します
発症日、初めて気づいた日、急に出たか徐々に出たか、肩から始まったか手から始まったかを確認します。転倒、移乗、衣服の着脱、採血、点滴、装具変更などの前後も聞きます。
「昨日より腫れた」という情報は、測定条件が同じかを確認します。朝と夕方、車いす座位の後と臥位の後では体積が変わることがあります。
2.腫れの場所と皮膚を見ます
手背全体か、特定の指か、手関節を越えるか、前腕まで続くかを記録します。指輪、装具、袖口、テープの圧痕、傷、発赤、水疱、光沢、乾燥、発汗を見ます。
指輪や装具がきつい場合は、外せなくなる前に医療スタッフへ相談します。皮膚障害がある状態で圧迫を強めません。
3.痛みを安静時・接触時・運動時に分けます
安静時痛、軽い接触、衣類、関節運動、荷重での痛みを分けます。痛む場所を本人に示してもらい、肩、肘、手関節、手指のどこに広がるかを記録します。
冷温刺激や鋭い刺激を扱う検査は、訓練を受けた評価者が皮膚状態と理解を確認して行います。繰り返し強く刺激して痛みを再現すること自体を目的にしません。
4.皮膚温と色は、環境をそろえて比べます
入室直後や温罨法直後ではなく、可能な範囲で室温と安静時間をそろえます。手背と指の複数部位を左右で比べます。触診だけでなく、使用する機器があれば測定部位と値を記録します。
一回の左右差だけで結論づけず、時間帯や症状の変化と一緒に追います。CRPSでは温かい手だけ、冷たい手だけが現れるわけではありません。
5.可動域と運動は、痛みを押して測りません
肩、肘、前腕、手関節、手指を順に観察します。自動運動と他動運動を分け、開始角度、支持、痛みが出る角度を残します。
筋力低下、痙縮、拘縮、運動失行、痛みによる防御は同じではありません。痛みが強い日に可動域を力で広げると、測定値は増えても組織負担や恐怖が増える可能性があります。
6.生活動作で何が止まるかを確認します
手を使う量だけでなく、着替え、清拭、爪切り、装具装着、車いすのアームサポート、睡眠姿勢を確認します。本人の目標が「手を開く」ではなく「痛みなく袖を通す」なら、アウトカムもそれに合わせます。
臨床で使うならこう考える:四つの分岐で次の行動を選びます
分岐1:急な発赤・熱感・傷・全身症状があります
リハビリの反復より医療評価を優先します。いつから、どの範囲に、どの程度の速さで変化したかを報告します。感染や外傷などが除外されるまで、強いマッサージ、圧迫、温熱を自己判断で追加しません。
分岐2:腫れはありますが、強い痛みや自律神経所見が乏しいです
姿勢、活動量、支持、装具、全身状態を確認します。同じ時刻と姿勢で手の体積や周径を測り、支持条件を一つ変えて反応を見ます。
腫れが減ったことは、その条件で体液移動が変わった可能性を示します。それを上肢運動機能の回復と同じ意味にはしません。
分岐3:持続痛に、温度・色・発汗・浮腫・運動変化が重なります
CRPSを含む評価が必要です。四領域の所見、始まり、変動、誘発条件、除外すべき局所所見をまとめて医師へ報告します。診断と薬物療法の要否は医師が判断します。
脳卒中後CRPSの頻度は研究により大きく違います。初回脳卒中313人の単施設後ろ向き研究では28人、8.94%でした。文献5 一方、21研究2225人のメタ解析では、研究の診断法と対象が異なる中で高い集計値も報告されています。文献6
頻度の幅は、全員に多いとも、まれだから見なくてよいとも言えないことを示します。対象集団、時期、診断基準が違う数値を一つにまとめて説明しません。
分岐4:肩や手関節の特定運動で痛みが再現されます
腱、関節、亜脱臼、装具や介助の負荷など、局所の筋骨格系評価を進めます。局所組織の問題とCRPSは排他的とは限りません。両者が重なる可能性を残し、疼痛部位と運動方向を記録します。
リハビリで設計すること:痛みを避け続けるのでも、押して動かすのでもありません
CRPSの治療は多職種で行い、薬物療法、心理社会的支援、疼痛教育、機能回復を組み合わせます。2022年の実践ガイドラインは、研究の質が全体として低から中等度で、小規模研究が多いと整理しています。文献7
リハビリでは、次の順で課題を設計します。
- その日の痛み、皮膚、腫れ、睡眠、薬剤変更を確認します。
- 肩から手まで支持し、痛みを増やしにくい開始姿勢を作ります。
- 本人が予測できる小さな運動、接触、物品操作から始めます。
- 痛み、腫れ、可動域、動作の質を見て難易度を一つずつ変えます。
- 直後だけでなく、数時間後と翌日の反応も確認します。
- 生活目標に近い課題へ段階的につなげます。
「痛いほど効く」という説明はしません。強い痛みを我慢して反復すると、防御反応、腫れ、運動回避が増える可能性があります。一方、すべての接触と運動を長く避けると、活動範囲がさらに狭くなることがあります。許容できる反応を本人と共有し、戻せる難易度で進めます。
鏡療法は選択肢ですが、全員に同じ処方ではありません
脳卒中後CRPS I 30人を対象とした無作為化比較試験では、4週間の通常リハビリに1日30分の鏡療法を追加した群で、上肢運動機能と疼痛の指標が対照群より大きく変化しました。MASには群間差がありませんでした。文献8
肩手症候群38人の別の無作為化比較試験でも、4週間の通常プログラムに鏡療法を加えた群で、浮腫、疼痛、FIMの群間差が報告されています。文献9
いずれも少人数・短期間の研究です。鏡療法を単独の決め手とは扱いません。鏡像の理解、視野、半側空間無視、注意、失語症、痛み反応、座位保持を確認します。
実施する場合、鏡は左右上肢の間の矢状面上へ縦に置き、反射面を非麻痺側へ向け、麻痺側上肢を鏡の背面に隠します。非麻痺側上肢の鏡像が麻痺側上肢の位置に見える条件を作ります。鏡を正面に置き、左右関係が曖昧なまま行いません。
薬物療法の候補があるからこそ、早期連携が必要です
脳卒中後CRPS I 60人を対象とした2006年の無作為化比較試験では、プレドニゾロン群とピロキシカム群を1か月比較し、CRPSスコアの変化はプレドニゾロン群で大きく報告されました。文献10
これは古い小規模試験であり、すべての患者に同じ薬を勧める根拠ではありません。糖尿病、感染、骨粗鬆症、消化管、血圧などを含め、適応と危険性を医師が判断します。PT・OTが行うのは、薬剤を選ぶことではなく、疑う所見を早く共有し、治療前後の機能と生活を同じ条件で評価することです。

自宅や生活で気をつけること:手を守りながら、変化を記録します
当事者・家族には、診断名を推測するより、次の変化を記録してもらいます。
- 腫れに気づいた日と時間帯
- どの指や手の場所から始まったか
- 皮膚の赤み、色、温度、汗の変化
- 触れたとき、動かしたとき、夜間の痛み
- 指輪、時計、装具、袖口の当たり
- 着替え、清拭、睡眠、食事で困る動作
- 発熱、傷、転倒、息苦しさなどの併存変化
強く揉む、無理に指を伸ばす、熱い湯へ長く浸ける、きつい弾性用品を自己判断で使うことは避けます。圧迫が必要な場合も、皮膚、感覚、循環、適合を医療職が確認します。
手を置くクッションやアームサポートは、肩から手まで支え、手関節が不自然に折れない位置に調整します。ポジショニングで楽になったことは環境調整の効果であり、麻痺した上肢の機能回復とは区別します。
新しい発赤・熱感・傷・急な強い痛み・腕全体の腫れ・息苦しさがあれば、次の予約日まで待たずに医療機関へ相談します。
変化を見るアウトカム:腫れ、痛み、機能、生活を別々に追います
一つの数値ですべてを判断しません。同じ時刻、姿勢、測定位置、装具条件で比較します。
| 評価する層 | 記録例 | 解釈の注意 |
|---|---|---|
| 腫れ | 手部体積、手背・手関節周径、指輪や装具の適合 | 測定時刻と姿勢をそろえます |
| 痛み | 安静時、接触時、運動時、夜間の数値評価 | 失語症や感覚障害に応じて質問方法を調整します |
| 皮膚・自律神経所見 | 温度、色、発汗、傷、爪や皮膚の変化 | 一回の左右差だけで確定しません |
| 運動 | 自他動可動域、FMA-UE、課題中の使用 | 痛み、痙縮、拘縮を混同しません |
| 生活 | 着衣、清拭、睡眠、食事、本人の目標 | 療法室での変化が生活へ移ったか確認します |
FMA-UEが低い人ではCRPSとの関連が報告されていますが、FMA-UEはCRPSの診断尺度ではありません。初回脳卒中313人の後ろ向き研究では、CRPS群でFMA-UE低値との関連がみられました。文献5
また、脳卒中195人の前向きコホートでは、入院3か月後に30人、15.4%がCRPSとされ、上肢・下肢の不使用と身体活動不足が探索的な決定木の予測因子に選ばれました。文献11
この関連は、「痛くても麻痺側上肢を無理に使えば予防できる」という因果を示していません。活動量を安全に評価し、上肢だけでなく移動や全身活動の低下も確認する根拠として扱います。
論文からどこまで言えるか:有望な介入と確立した手順は同じではありません
脳卒中後CRPSに対する理学療法介入をまとめた2023年の系統的レビュー・メタ解析は、4件の無作為化試験を統合し、疼痛と機能の変化を報告しました。ただし、研究間の異質性は疼痛でI2 99%、機能でI2 100%と極めて大きい値でした。文献12
研究が少なく、鏡療法、レーザー、流体療法など異なる介入をまとめています。したがって、「理学療法なら何でも有効」や「この手技を選べばよい」とは言えません。対象、病期、比較条件、アウトカムを確認して解釈します。
CRPS全般の2022年ガイドラインも、研究の質と人数に限界があることを明記しています。文献7 これは何もしない理由ではありません。診断と鑑別を急ぎ、痛みを増やしにくい機能回復を段階づけ、反応を測って調整する理由です。
ぱらゴリ的な見立て:腫れを「原因」ではなく、仮説を分ける入口にします
Activeの臨床プロセスで考えるなら、最初の問題設定は「手が腫れている」だけではありません。たとえば「袖を通すと痛みが強く、着替えを中断する」「夜間痛で眠れず、日中の練習量が下がる」という活動と生活の問題に置き換えます。
次に、原因候補を並べます。急性の炎症や外傷、圧迫、依存性浮腫、肩・手関節の局所問題、感覚障害、CRPSを含む複合的な疼痛です。緊急度と説明力から順位づけし、必要な医療評価へつなぎます。
医療的な危険が除外されたら、支持、姿勢、接触、運動範囲、物品の重さを一つずつ変え、本人の反応を再評価します。そこで楽になった条件を、次の課題の開始点にします。
変化が乏しいときに刺激量だけを増やさず、原因仮説、測定条件、課題の難易度を見直します。腫れが減っても着替えが変わらなければ、必要な能力の分解が足りない可能性があります。反対に、腫れが残っていても痛みなく袖を通せるなら、生活上の意味を別に評価します。
最後の要点:手の腫れは、五つの情報に分けて報告します
- 急な発赤、熱感、傷、全身症状、腕全体の腫れがあれば医療評価を優先します。
- 手の腫れ、肩手症候群、CRPSは同じ意味ではありません。
- CRPSは感覚、血管運動、発汗・浮腫、運動・栄養性変化を組み合わせ、別診断を除外して判断します。
- 脳卒中後は麻痺や感覚・言語障害が診断項目と重なるため、一覧表だけで確定しません。
- リハビリは痛みを押して行わず、支持、小さな運動、物品操作、生活課題へ段階づけます。
- 腫れ、痛み、皮膚、運動、生活を別々のアウトカムで追います。
相談時には、いつから、どこが、どのように腫れたか、痛み・皮膚温・色・発汗・傷の有無、困る動作をまとめると、評価の優先順位づけに役立ちます。
脳梗塞リハビリスタジオActiveでは、評価と臨床推論をもとに、原因候補、必要な能力、課題の条件を整理します。医療的評価が必要な所見は、主治医などの医療機関と連携して対応します。


参考文献
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文献確認日:2026年9月1日。PubMedでPMID、DOI、研究デザイン、対象、主要結果、限界を照合しました。本文の臨床的な課題例は、研究結果そのものと区別しています。


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