【脳機能】機能解離(Diaschisis)って何?

脳機能

こんにちは! ぱらゴリです! 今回は脳卒中後に起こる「機能乖離:ディアスキシス(Diaschisis)」と呼ばれる現象について簡単に解説していきます! 担当した方が、「運動野を中心とした脳梗塞なのに、なぜか運動失調が出ている…」などの現象を経験したことありませんか? または、教科書では小脳は運動の協調性を司っているから、「運動失調」がメインになると思っていたのに「認知機能の低下が生じている」といった現象を経験したことはありませんか? これは脳卒中後に起こってくる現象の一つであるディアスキシスが一要因として関係していると考えていく必要があるかもしれません。

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脳卒中後に脳内に起こる生理学的な現象

脳卒中後には、脳浮腫やペナンプラなどの生理学的な現象が起こってきます。 詳細はこちらをご覧ください!   https://fukugyougorira-pt.com/noushinkei/   その中でも神経生理学的に起こってくる現象の一つに

ディアスキシスという現象があります。

ディアスキシスとは何か?

先ほどの画像にあったように、

中枢神経系が突然受けたダメージによって、その病巣と連結している離れた部位が一過性に機能障害(機能抑制)を起こすと考えられています。
他にも、このような説明がされることがあります。

臨床的に、例えば小脳出血の方に認知機能低下が現れることがあります。それは小脳と前頭葉がネットワーク的につながっているため、小脳が損傷することでネットワークでつながっている前頭葉の血流が低下するという現象です。(CCAS:小脳性認知情動症候群) https://fukugyougorira-pt.com/ccas/   そしてこのディアスキシスが急性期からの自然回復の一要因であると考えられています。

代表的なディアスキシスとして上記の画像の右の図を覚えておくと良いかと思います。

  • 対側半球の機能乖離
  • 視床ー大脳皮質の機能乖離
  • 対側小脳の機能乖離
  • 連合野の機能乖離
  • 大脳皮質ー脊髄の機能乖離

そのため、損傷した部位の機能だけではなく、「脳はネットワークでつながっている」また「つながった領域の機能も低下する」可能性があるということを覚えておきましょう。

ディアスキシスはどれくらいの期間で改善するのか?

脳損傷を受けると連結した部位が一定期間機能障害を起こす、とされています。 この機能解離と呼ばれる現象は約2週間から6ヶ月、あるいは数年で改善してくるのではないか?と考えられています。

メカニズムとして長い期間かけて、少しづつ代謝が改善するからではないか? と考えられています。

まとめ

脳画像から症状の全てがわかる!! というのは非常にナンセンスだということです!

ただ!

脳画像から損傷していて、これは難しいのではないか?と予測することで、

病棟での転倒予防や患者様との関わり方、方法の選択をする上で「事前情報(仮)」が得られるため見ておくことは重要です。

 

※例えば大脳基底核が損傷した場合、補足運動野や一次運動野、前頭連合野にも機能低下が起こってくる可能性があるということですね。 あくまで可能性ですので断言はできませんが、注意機能があるかも?と思って接するのか、筋緊張の問題!だけで接するのかでは大きく変わりますよ!   最後までありがとうございました!

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