みなさんこんにちは!
国家試験の勉強で度々出てくるαーγ連関っていつ使う知識なの?
と思いませんか?
でも、これって知っているか知ってないかよりも「理解しているかしていないか」で大きな違いが出てきます。
今回は、「αーγ連関から紐解く随意運動と伸張反射の違いについて」です!
αとかγってそもそも何?
脊髄の前角には、
- α運動神経細胞
- γ運動神経細胞
- 介在神経細胞
といった細胞があるとされています。
主にアルファ運動神経細胞は、錐外筋を収縮させる、つまり筋肉を収縮させる働きがあります。
一方ガンマ運動神経細胞は、錐内筋と言われる筋肉の中にある「筋紡錘」の張力を調整する働きがあると考えられています。
αーγ連関が働いていない状態
まず筋肉の静止状態と伸張状態、短縮状態で筋紡錘がどうなるかをみていきましょう!
本来、筋が伸張すると「筋紡錘の張力は高まる」、そして筋が短縮すると「筋紡錘の張力は低下する」ことはイメージがつくかと思います。
他動で関節を曲げると、基本的には筋肉は収縮せず、筋肉は緩んだ状態になりますよね。
もう一つは、腱反射後には筋肉は収縮するものの、その後にはすぐに筋肉が緩むことを経験するかと思います。
αーγ連関が働いている状態
ではαーγ連関が働く場面とはどんな状況でしょうか?
それは
「随意運動」を行なっているときです。
他動運動では基本的に関節の状態を維持することは必要ありません。(例えば肘を曲げたままにする必要がない)
しかし、
随意運動の時には関節の状態を維持するために「筋肉の収縮状態をキープする」ことが重要ですよね。(例えばコップを持った後は肘を曲げた状態をキープしたまま、肘関節を屈曲した状態をキープする必要がある。)
違いを筋肉と筋紡錘の状態からみていきましょう。
伸張反射の時には、意識とは関係なく、筋紡錘を伸張させIa促通という「伸張反射」を起こすことで筋肉が収縮し関節運動が起こります。
しかしその時には脊髄反射で筋肉が収縮つまり短縮するだけです。
同じ肘が曲がるという現象でも、大脳皮質が関わってくると関節運動が起こる前に、筋紡錘の感度を高めておくことで「筋が収縮した状態でも筋紡錘が伸張された状態と同じ状況」を作り出すと考えられます。
これによって、関節運動が起こり、本来は筋肉が短縮した状態であっても「収縮状態を意識せずとも維持できる」
というわけですね。
ここで重要なのは、意識です。つまり大脳皮質の関与となってきます。
意識的に筋肉を収縮させる「随意運動」
随意運動を起こす代表的な経路は…そう…
皮質脊髄路ですね!
ただ皮質脊髄路だけ働いても、α運動神経細胞に対して出力を行い単純な収縮だけが起こります。
しかしながら、皮質脊髄路だけではαーγ連関が働きません。
そこで重要なのが、
皮質網様体脊髄路と呼ばれる経路です。
皮質網様体路から筋紡錘に筋肉が収縮すると、こんな関節運動外起こるから筋紡錘を前もって感度を上げておけよ!という指令が出ます。
これを前もって指示しておくことで、筋の収縮状態を維持できる!わけですね。
これをαーγ連関と表現されます。
しかし脳卒中後には、筋肉の収縮状態を維持することができず、随意運動が難しくなる場面を見かけます。
これができるかどうかで、随意運動がスムーズに行えるかどうかに影響します。
働かない場合には、物品を持ち上げたところでその後の操作に繋げていくことが難しいためですね!
最後までありがとうございました!
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